長瀬准平さん「理論研究から実践の場を求めて〜そして講師へ〜」

芝浦工業大学理工学研究科博士後期課程修了。博士(学術)。現在は電気通信大学データ教育センター特任助教として「データアントレプレナーフェロープログラム(DEFP)」の講師を務めており、「ITリテラシ」、「Python100本ノック」、「EDAとモデル作成の基礎」などの科目を担当している。専門は深層学習モデルの数理理解。

「データアントレプレナーフェロープログラム(DEFP)」
文部科学省 科学技術人材育成費補助事業 データ関連人材育成プログラム(Doctoral program for Data-Related Innovation Expert: D-DRIVE)の採択を受けた データアントレプレナーコンソーシアム が開講する人材育成プログラムです。電気通信大学では、公益財団法人住友電工グループ社会貢献基金から大学講座寄付を受け、2015年度(平成27年度)より『データアントレプレナープログラム』(Data Entrepreneur Program: DEP)を開講しています。この取組みを包括的に発展させ、様々な分野の高いポテンシャルを持つ方に向けて、データサイエンスのトップレベル人材を育成します。

 

プログラムの受講を決めた当時のことを思い返すと、私は当時、博士課程に進学するか、就職するか、将来を悩んでいた時期でした。元々データサイエンスには興味があり、「研究もしたいが実践的なスキルも身につけたい」「学費はどうしよう」という悩みを持っていました。

そんな中、本プログラムでは、データサイエンスの基礎を学べるだけでなく、社会人の方と協力してビジネス課題に取り組むグループワークや、コンソーシアム企業の方とのインターンシップのマッチング会があり、まさに自分のニーズにマッチしていたので、受講と、博士課程への進学を決めました。

自分の研究は、深層学習モデルの理論的な研究です。世の中に実装されている様々な深層学習のモデルが、どのような関係性にあるのかを数理的に研究しています。一方で、実務的な研究やプログラミングの経験はなかったので、本プログラムを通じて、データ分析やシミュレーションを踏まえた研究に挑戦できるようになりました。

また、前述のマッチング会でご縁のあった企業でマーケティングリサーチに関するインターンシップに参加させていただき、実社会と関わる領域での研究や、データ分析の実務経験が得られました。これらの経験を活かし、実際に企業での機械学習プロジェクトに参画する機会ができ、時にはリサーチャー、時にはマネージャーとして「アントレプレナーシップ」を発揮できるようになりました。

いまでは、講師としてプログラムに参加させていただいておりますが、改めてとても豪華なプログラムだなと感じております。現代社会におけるデータサイエンスの潮流は、AIの隆盛も伴ってとても激しいものがあり、実践や学習にもまだまだデファクトスタンダードが出来上がっていないように思いますが、本プログラムではサイエンス・ビジネス・プログラミングの3つの観点から体系的に、かつ業界の第一線で活躍されている講師の方からデータサイエンスを学ぶことができます。また、異業種の方との交流を通じてたくさんの刺激を得られます。自分自身も、受講生の方に負けないように、新たな情報と知見をキャッチアップし続ける毎日ですので、是非一緒に走りましょう。